ひとコマ 
 
 
「肉日(にくじつ)ってどんな日なんですか?」 
 
無邪気な彼女が街中で尋ねた。 
 
「よく言われることだが…」 
 
と答えるのはもじゃもじゃの白髪に
丸ぶちめがねをかけ、白衣を着た博士。 
 
「好きなものは刺せばいい」 
 
すかさず助手が突っ込む。 

「好きなことはさせればいい、でしょう」 
 
バサッ。 
 
2階の歯医者の窓に干してあった10メートル
の大きな布団が落ちてくる。